森下くんの恋愛事情

わかってるけど、わかってるけど。

さっき、玲音に抱きついていたのを見て

余計謝る気が失せて。


「無理です。

今回ばかりは莉音が誤ってくれないと無理です」

「そんなこと言ったってな、

莉音はわからないから抱きついてるんだぞ?

わかってて抱きついてたら悪魔だろ」

「無理なものは無理なんです。

そろそろ、自分が可愛いこと理解してくれないと困ります」

「わかるけど…

ちょっとは許してやれよ」

「別にもう、怒ってるわけじゃありません。

ただ、莉音にもうちょっと大人になって欲しいんです」

「…莉音も辛いんじゃないか?」


光輝先輩が初めて言葉を挟んだ。


「わかってますけど…」

「わかったわかった。とりあえず、今日は帰れ。

莉音は、送るから」

「…わかりました」


結城先輩に言われたとおり素直に帰った。
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