森下くんの恋愛事情

できれば早めに去ってください。

私が耐えられている間に。


「ほら、立って。行こ?」


男が私の腕を持って引っ張ってくる。


「嫌ですから!」

「は?生意気言ってんじゃねぇよ!」

「そうだよ、さっさとこい!」


え、ヤバイ。どうしよう。

殴っていいかな?

顔面蹴ったら離れていくかな?


助けて!

そしたら、後ろから私を引き寄せて肩を抱く。


「何してるの?僕の彼女に」


愛しの人の声が。

ニコニコと黒い笑みをする悠李は怖い。

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