森下くんの恋愛事情
そうか、早くも噂になってましたか。
どーしよ。
明日、めんどくさいことになりそう。
みんなが立ってる近くのイスに座ると、
体育館では、話してなかった奴が話してきた。
「大丈夫か?今日一日でめちゃくちゃ疲れました。
って顔してるぞ」
佐々木玲音、校内一カッコいいと言われてる人。
クールで、告白は軽く受け流すことで有名なこの人はメガネ男子で、
バスケ部にいるなんて知らなかった。
「大丈夫。結構振り回されたけど」
「まあ、昔から莉音は、人を振り回すのがうまいからな」
「昔から知ってるんだ?」
「まあな。バスケ部の1年全員小さい頃から知り合いだぞ」
「そーなんだ。やけに仲がいいと思った」
高梨さんは、みんなと楽しそうに喋っている。
そーいえば向こうは、僕の元カノを知ってるけど
僕は、高梨さんの元カレを知らない。
っていうか、いたかどうかもわからない。
高梨さんのこと、僕は、全然知らない。