森下くんの恋愛事情
響くんの大胆な行動に
頭がついていかなかったのかびっくりしてる。
「ほんとは、…心のどこかで距離がある気がしてた」
響くんが話しだした。
「嫌われてると思ってたし、
紫音みたいに抱きついても来ないし不安だった。
本気で俺のことどうも思ってないと思ってた。
紫音のことは全然怒ったりしないし、
そのくせ俺のことはめちゃくちゃ怒るし、
ほんとに嫌われてると思ってた…」
響くんの話が終わって少しした時、
莉音が口を開いた。
「私も…、そう思ってた。
嫌われてると思ってた。
響は私の前では全然笑わないし、
無表情だし、
だから、抱きついたりしたらもっと嫌われるって思ったから。
それで何もできなかった。
奏も、もしかしたら一緒だと思ったら何もできなかった…
ホントはもっと近付きたかった」