森下くんの恋愛事情

莉音も、響くんも奏くんもすれ違ってただけだ。

みんな辛かったんだ。

そう思っていたら、莉音がぱっと顔を上げて。


「でも、怒ったりするのは響の寝相が悪かったから」


と、ニコニコと笑っていった。


「ほんとにムカつく」

「ふふっ。でも、そういう私が大好きなんでしょ?」

「…ふっ。

あぁ、そうだな」


響くんにぎゅっと抱きつく。

響くんも莉音の背中に手を回す。

それは、

流石に姉弟であろうとダメでしょっ!

莉音に近づいて響くんと引き剥がす。


「それは、妬けるからダメ」

「えー、せっかく響と初めてギューってしたのに…、

あ、でも、ダメって言っても奏とギューってしていい?」
< 378 / 585 >

この作品をシェア

pagetop