森下くんの恋愛事情

莉音は、下を向きつつ目を合わせない響くんの顔を持ち上げる。


「だって、さっき響のこと知りたいって言ったでしょ?

会えなくなったら、響の友達どんなのかわからないじゃん。

もし、みんな遥輝くんみたいなのだったら私、泣くよ?」


莉音はいつものようにニヤッと笑って言う。


「っ、ああもう!わかったわかった。

だから、避けろ」

「やだもん」

「なっ、」

「お姉様の威厳」

「バカじゃねぇの?奏、避けて」


響くんに声をかけられて奏くんは


「ハイハイ、姉さん。病人の上には乗らないの」

「いや〜!!」


莉音をベットから引きずり下ろす。


一連の流れを病室の角で見つめる僕と快斗。

そして、快斗はドアの方を向く。
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