森下くんの恋愛事情
突然の。

別れ。 …悠李side


「別れて…ほしいの」


春休み。

2年生になる1日前の夜。

奏くんと響くんが同じ学校に行けることが決まって

喜んでいた春休みの思い出が、

この言葉で

一瞬にして消えていった。


夜ご飯を食べ終わってゆっくりしているときに

突然、莉音が真剣な顔で言った。

周りにいるみんなもびっくりしている。

今日はエイプリールフールじゃない。

エイプリールフールだったとしても

こんなふざけた事は言わないと思う。


「な、んで?」

「…別れてほしいの」


理由を聞いているのに言わない。

でも、真剣な顔をしているところを見たら嘘ではないらしい。
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