森下くんの恋愛事情
帰る。 …奏side
「おい、姉貴!正気なのかよ!」
響の荒々しい声が飛ぶ。
「正気に決まってんじゃん」
興味がないみたいにそっけなくこたえる。
意味わからない。
昨日まで、あんなに仲良かったのになんで…。
「それと、私、ここ出るから」
「何言ってんの?お姉ちゃん!!どこいくき?」
紫音の泣き声が静かな部屋に響く。
「実家」
「実家ってカオルさんとこか?」
「違う。あの女がいる実家」
まただ。
姉さんはいつも何を考えてるかわからない。
どうにかして欲しい。
自分勝手なこの人を。