森下くんの恋愛事情
「どうして、そう思うの?」
「“鬼”だろ?もともと暴走族の総長してたのにやめて、
ただのヤンキーに成り下がったって奴。
ヤンキー界では有名だろ?」
「もし、それが僕じゃなかったら、どう落とし前つけるの?」
「お前だって確信があるから言ってる」
一触即発。
悠李くんは、黒い顔でニコニコ笑ってる。
響もニヤッと口角を上げている。
ふと、姉さんの方を見てみると
気づいてない。
でも、二人の間に殺気が飛びつつある。
バレるのも時間の問題だ。
姉さんだって元ヤンだ。
殺気の気配は、すぐ察する。
「おい、やめな。
あんまり騒ぐと姉さんにフライパンで叩かれるよ?」
「…あれだけは嫌だ。マジ痛い」
「…叩かれたことあるんだ?」