森下くんの恋愛事情
結局、何も考えられなくなって教室へ向かう。
教室には友梨がもう来ていて、普通に座ってる。
気にしてないの?
気にしないの?
みんなして何なの?
考えてるのは僕だけ?
友梨に話しかける。
「友梨」
「何?」
「気にしてないの?兄貴のこと」
「気にするに決まってんじゃん。
…でも、いいの。悠志が自分で決めたことでしょ?
…私がなにか言えるわけじゃないもの」
友梨の諦めたような笑った顔と、少し震えている声で。
僕は何も言えなくなった。
現実を受け止めた友梨と。
今も心のどこかで夢なんじゃないか、って逃げている僕。
そろそろ現実を受け止めろって自分でも思ってるけど
気持ちが追いつかない。