森下くんの恋愛事情

急に悠李くんが話に入ってきて、

ふわっと笑っていた。

これだ、

多分。

姉さんが連れてきた奴もこんなふうに笑っていた。

こんなふうに笑う人が好みだということは、薄々気づいていた。

快斗もこんなふうに笑うから、警戒心なんてさらさらなかった。

兎希くんもこんなふうに笑うから、ずっとへばついていた。


「あぁ、あれは、痛かった。

でかめのたんこぶができた。

学校で先生に虐待かって言われるくらいでかかったわ。

全然治らなかったしな」


さっきの一触即発の雰囲気はどこへ行った。

まあ、普通ならそれが一番だけど。

それより、快斗と紫音はどこへ行った?

見渡してもここにはいない。

まあ、いいか。

そのうち戻ってくるかな?

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