森下くんの恋愛事情

「あのさ、快斗がここに住んでる理由ってあるの?」

「あー、快斗はうちの執事さんとして雇ってるらしいけど、

まあ、姉貴の送り迎えと話し相手くらいしかしてねぇな」

「は!?なにそれ。あいつが執事?」


なんで急に快斗の話になった?

もしかして姉さんから、聞いてなかったのか?


「ちげーわ、嘘つくな。執事見習い!

つか、俺は別に執事になりたかったわけじゃないから」


リビングの入り口に持たれて立ってる快斗は、サマになってるけど

どこに行ってたんだ?

聞いてみるか。


「快斗。どこいってたの」

「あ?紫音に引きずられてグチグチ言われた。

莉音に虫がつかないようにするのが俺の仕事、だとか

悠李が変なやつだったらどうする、だとかなんとか。

聞き流してたから覚えてねえや」

「あっそ、おつかれ。ちなみに紫音は?」

「今、莉音にべったり。離れないぞ」


やっぱり、紫音って


…シスコンだよな?
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