森下くんの恋愛事情
後夜祭。 …悠志side
朝から、悠李に喧嘩売ってばっか。
悠李に何かしてほしいわけじゃない。
でも、できれば、莉音のことを知ってほしい。
そう思ったのに、あいつ。
全然だめじゃん。
現実を受け止められてない。
「よかったね。優勝して」
「あぁ、そうだな」
結局、うちのクラスは悠李の棒倒しでの無茶な行為と、莉音の全力疾走のおかげで優勝した。
悠李は、一途に莉音のことを思って。
莉音も、悠李のカバーを。
二人はこんなにも想い合っているのに。
どうして、引き剥がされなければならないのだろう。
「告白大会の司会、行ってくるね」
「ん、気をつけて」
パタパタと俺のもとを離れていく莉音。
最近の莉音の精神状態は終わっている。
今朝だって。