森下くんの恋愛事情

昨日は、泊まりたい。

それだけ言って俺の寝ているベットに潜り込んできた。

朝、起きたら、莉音が俺の上にいた。

顔の横で俺の手を抑えて。

泣いていた。

端から見たら、押し倒したように見える。


「ゆう、り」


俺の顔にポタポタと涙を落としながら呟く。


「俺は悠李じゃねぇよ?」

「わかってる、もん。でも、やっぱり、私は悠李じゃなきゃ、やだよ」


そんなの俺だってわかってる。


「大丈夫だから。泣くな。今日は、悠李のために頑張るんだろ?」

「っ、うんっ」



そうやってなだめてきたものも、悠李はほとんど保健室だし。

後夜祭は莉音が司会あたってるから、会いに行けないし。

夏休みにはいったら、

多分、

もっとゴタゴタするから。

今の間に悠李に思い出させたいんだけど…。

やっぱ、無理か。
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