森下くんの恋愛事情

「ッチ、んだよ」


素直に莉音の手を離して去っていく男。

ていうか、でかくね?

身長高いっ…。

そんなことはどうでもいい。


「莉音、こんなとこで何してんの?兄貴は?」

「悠志とは来てない。久しぶりにクレープ食べたくなって。

一人できたんだけど…。なんか捕まっちゃって」


あぁ、莉音らしいな…。

そう思ったら笑えてきて。


「っふは」

「ええっ、なんで笑うの!?」

「いや、莉音らしいなと思って。クレープ食べに行こ」

「え?」

「食べたいんでしょ?」

「う、うん」

「ん、行こ。おごってあげる」

「やったぁ。チョコバナナがいいっ」

「はいはい」
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