森下くんの恋愛事情
昔みたいに、手を繋いで歩く。
こんなの、兄貴に見られたら怒られるかも。
でも、そんなの気にしない。
僕はそれくらい、
____莉音のことが好きだ。
きっと、莉音が好きなことも兄貴にはお見通し。
だったら、隠す必要もない。
クレープ買ってベンチに座る。
「今日は、ありがと。助けてくれて」
ふわっと微笑む莉音。
なんか、懐かしい感じがする。
なんだろう。
なにか、忘れていることがあった気がする。
『ありがとう。ゆぅちゃん』
そうか、この子と一緒の笑い方してるんだ。