森下くんの恋愛事情

「莉音、大丈夫か?泣くな。俺がなんとかしてやる」

「悠志に…、

悠志に何ができるのっ!?

今日は、友梨も来てるのよ?

…悠志も友梨も、私も辛いだけでしょう?」


そう。

お金持ちが集まるこのパーティーは

病院の跡取り娘である友梨も来ている。

悠志は寂しそうな顔をして、無言で私のことを抱きしめた。


その後、パーティーはすぐ始まって。

挨拶を何も考えていないまま、舞台に立つことになった。


「今日は、莉音の婚約パーティーに出席いただきありがとうございます。

この度は____」


パパがつらつらと言葉を並べていく中、

挨拶を考えていない私は冷や汗をかいていた。

あの女の前でヘマをしたら何を言われるかわからない。

何をされるかわからない。

どうしよ。

こういう時なんて言うんだっけ?
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