森下くんの恋愛事情

「森下くん。どうしたの?

いこ?」


女子は睨んでいて、高梨さんは少し嫌な顔をしたけど、

いつもどおりの顔に戻して首を傾けて、手を出してくれた。


あぁ、可愛い。

出された手を繋いで下駄箱へ向かった。

でも、そう簡単に離してくれるはずもなく…

新聞部の人が走ってきて、

付き合ってるのは本当か。

どこか好きか。

どちらからの告白か。

と、迷惑な質問が飛び交っていた。

実質、高梨さんは困った顔で、

上履きを履き終えた僕の手を突然引っ張って逃げる始末。

しばらくの間は、ほとぼりが冷めるわけでもなさそうなので…

新聞部と、なんでかわからないけど

付いてきた男子&女子を巻いたあとは、

高梨さんは僕を近くの空き教室に引きずり込んだ。
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