ギャップだらけの二人
モテ男とモテ子の裏の顔
♪キーンコーンカーン

4校時目終了のチャイムが鳴ると同時に、私・奥村智恵美(オクムラ チエミ)は、同じクラスの親友・小松理緒(コマツ リオ)と一緒に、お弁当箱とスマフォを持ってバスケ部の部室へと急いだ。
その私たちのうしろを、やっぱり同じクラスの中澤俊哉(ナカザワ シュンヤ)と前川拓斗(マエカワ タクト)が追ってきた。
4人で同時に部室に付く。

「俊哉も、ちーちゃんも、今日はつかまらなかったな」
前川くんが、私と俊哉を見ながら言う。

「拓斗、まだ分からないよ。教室に戻ったら、また待ってるかもよ」
理緒がお弁当を広げながら、そんな面倒なことを言う。

2人とも、他人事だからそんな風に言えるんだ!

私はため息をついて、お弁当の唐揚げを頬張った。

「智恵美、唐揚げちょうだい!」

俊哉がそう言って、私のお弁当箱の唐揚げを指で摘まんで、そのまま自分の口へと運んだ。

「ん、美味い」

言いかけた文句も、笑顔でそう言われたら言えなくなってしまう。
分かっててそう言う俊哉は、ズルい男だ。
私はまた、ため息をついた。

分かっているのか、いないのか…俊哉はやっと自分のお弁当箱を広げた。
俊哉のお弁当は私が作っているから、同じく唐揚げが入っている。やはり、唐揚げから箸をつけた。













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