ギャップだらけの二人
「お待たせしました。
いちごミルクのかき氷と、抹茶のアイスクレープです。
ご注文の品はお揃いでしょうか?
伝票、こちらになります。
それでは、どうぞごゆっくり」

店員がマニュアル通りに、品物と伝票を置いていく。

誰がゆっくりするか!
智恵美と二人だったら…。
いや。それならそれで、早く家に帰って智恵美と二人きりがいいな。

俺は残りのアイスティーを飲み干すと、「おかわり取ってくる」とグラスを持ち席を立った。
またアイスティーを注いで、智恵美の隣に座る。

そして、かき氷を食べている小松に向かって、
「智恵美まで一緒に呼んで、俺に話ってなに?」
そう聞いた。

すると小松は、俺と智恵美を交互に見ながら、
「俊哉て奥村さんって、付き合ってないんだよね」

俺は智恵美と顔を合わせて、
「あぁ、付き合ってない」と答えた。

本当は早く俺の彼女にしたいけどな。
心の中で付け加えた。

その答えを聞いた小松は嬉しそうに、 

「だったら…。
ねぇ俊哉。私と付き合って!
もし俊哉の裏の顔を知っても、私は俊哉を好きでいる自信があるよ」

そう真っ直ぐに俺を見つめて告白してきた。

「返事はすぐにとは言わない。かと言って、あまり待たされるのもイヤだから、一週間後にちょうだい」

小松はそう言うと、またかき氷を食べ始めた。
< 11 / 18 >

この作品をシェア

pagetop