ギャップだらけの二人
隣の智恵美は、告白の場面に立ち会ってしまい、ちょっと気まずそうにしている。

小松は、そんな智恵美を冷ややかに見る。
 
「俊哉も奥村さんも、告白なんてされ慣れてるだろうから、そんな珍しいことじゃないでしょ?」

小松の冷たい言葉に、智恵美は素知らぬフリを決めたようだ。
目の前のアイスクレープを、おいしそうに食べている。

小松も、かき氷を食べる。

小松の方が先に食べ終わり、伝票を持って立ち上がる。

「奥村さんまで付き合わせてしまってごめんなさい。私が誘ったから、私が払います。
奥村さんは、ゆっくり食べてきて。 
また明日、学校でね」

そう言うと小松はレジで支払いをして店を出た。

その姿を見送った俺と智恵美は、同時に溜め息をついて、顔を見合せて笑った。

「智恵美も食べ終わった? じゃあ、俺たちも帰るか?」

俺はそう言って立ち上がると、智恵美も口元をナプキンで拭いてから立ち上がった。

そんなとこを見たら、ここがファミレスなんてことを忘れて、そのままキスしたくなる。

そんなことしたら智恵美に軽蔑されるから、頑張って理性を総動員させて抑えた。

代わりに…智恵美の手を恋人繋ぎで繋いで、「ごちそうさま」て言ってファミレスを出た。
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