ギャップだらけの二人
翌朝、いつも通りに起きて学校へ行く準備をする。

そして、鞄を持ち玄関を開けると、隣から智恵美も出てきた。

「おはよう」

「おやすみ、智恵美」

俺たちは、並んで歩き出した。

「俊哉さぁ、昨日の小松さんの話、どうするの?」

遠慮がちに、智恵美が聞いてくる。

ちょっとは気にしてくれているのかな?
だとしたら嬉しい。

「あぁ。もちろん断るけど。何て言えば諦めてくれるかな。
とりあえず昼休み、拓斗と理緒にも相談」

「分かった。
小松さん、あんな宣言したから、なかなか引かなそうだもんね」

「だよな」

そんな話しをしながら智恵美と学校に向かっていると、
「俊哉おはよう」と、声をかけられた。

振り返ると、噂の小松沙織。

「学校まで、一緒にいい?」

俺と智恵美が一緒にいると、大抵は遠慮して話しかけてこないが、小松は遠慮しないらしい。

智恵美とアイコンタクトをとったあと、「いいよ」と答える。断る理由はないから。

すると、俺と智恵美の間に入ろうとするのをさりげなく邪魔して、俺が智恵美と小松に挟まれて歩く。

「ねぇ俊哉、昼休み一緒に過ごそう」

「あー、ごめん。拓斗たちと食べるから」

拓斗の名前を出して断る。
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