ギャップだらけの二人
「なぁ智恵美。合格祝いちょうだい」

「えっ?」

「智恵美の初めての相手にさせて。
代わりに…、俺の初めてあげるから」

俊哉はそう言うと、私にキスをした。

最初はチュッと触れるだけ。

そのあと角度を変えながら、どんどん深くなっていく。

開いた唇から俊哉の舌が入り込んで、私の舌に絡ませる。

彼の手が後頭部に回り、彼のキスから逃げられない。

もう片方の手は、服の上から胸を触る。

私は彼の手を掴んで抵抗した。

そうしないと、俊哉のキスに溺れてしまいそうだ。

俊哉とのキスは、初めてではない。

お互いの身体に触れ合うこともあった。

だけど、一線を越えてしまうのは、また別だ。

やっと唇を離した俊哉は、不機嫌そうな顔だ。

「智恵美。
俺は初めての相手は智恵美がいい」

「なんで私? 小松さんは?」

小松さんー同級生の小松沙織さんは、自称・俊哉の彼女。

高校も、私たちと同じところに合格した。

「はぁ。小松は関係ねぇよ。つうか、告白はされたけど断った。けど、なんか付き合ってることになってて、今は俺がフラれたことになってるらしい。
まぁ、関わりがなくなるだけいっか。
それよりも。
俺は今、智恵美を抱きたい。いいよな」

最後、低く掠れた私好みの声で言われ、思わず頷いてしまった。








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