ボクらはキミが好き!?
ぐいっ




『イッテー!なんだよ!!』

あおいの肩にまわしていた手がいきおいよくはがされる





『お客様』


「…いさみ……英慈…」



『んだよ、おまえら』



「すいませんが、この子は指名済みなんです」



そう言ってうしろからあおいを守るように抱き締める勇




「いくらお客だって言っても渡せないんで
お引き取りください」



と、上から凄味のある視線をおくる英慈





教室中が注目し、男はちっと舌打ちすると出ていった



はぁーーーーーーー




「ありがとう、2人とも」




そう言ったら、2人ともホッとしたような怒ったような複雑な顔をした





なにその表情?



きょとんとしてると、あおいをはさむように勇・英慈がソファに座り込む




『よかったーー』




声がそろう


それに一瞬お互い睨み合う



「つか、いつまであおいに触ってんだよ!」


べりっと勇の手を払う


「いーじゃん、お前に注意される覚えない」


「セクハラ」


「むっつり」



「ちょっと?なんでもめるの!?」


「それより
あおい、触られすぎ」


「あんなのは、はっきり断れ」


「心配で、おちおち休憩できないよ」


「まったくだ」




とばっちり?
さっきもめてたのに、今度はふたりしてわたしせめるのーーーーー



「ゴメン、……ありがと」





ふたりしてなんか、不機嫌な顔


わたし
助けるつもりがよけい迷惑かけちゃった


ゴメンね


役に立てなくて




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