ねぇ 抱き締めて
匂い

イジメ

夢を見ていた。

あったかくて、フワフワしてて…まるで朔みたい。
朔っていうのはあたしの彼氏。

さくっていうんだよ。


これは夢?
不思議な夢。

夢だって分かってる夢は初めて。

軽く意識がある感じ。

起きたらね、朔が目の前に居てね、抱き締めてくれるんだ。

きっと………ね。








「ぉる!
かおる!
杉宮薫!!!
聞いてるのか?!」

開き難い瞼をこじ開けると、数学教師の里田が居た。

いつもの光景だ。


「おはよーございマス。
あーいちゃん。」

この人は、里田 哀。

体育会系なのに数学教師。

かなり名前にコンプレックス持ってるみたい。

女っぽいもんね。

「杉宮ァァァ!
お前は教師をバカにしてるのか?!
大体、授業中に居眠りをする奴があるか!」


なんて説教聞いてる間にチャイムが鳴った。

「センセー。
授業終わりましたよ。
早く帰りたいんすけど。」



朔…………。

最愛の恋人。

哀ちゃんは時計をチラチラと覗いてる。


「ぅ…あぁ。
じゃ、今日は終わりだ。
杉宮ぁ!!
放課後職員室に来いよ!」


朔の言ってくれた事はまったく無意味になっちやった。
< 1 / 6 >

この作品をシェア

pagetop