ねぇ 抱き締めて
「かーお!
にしし。怒られてやんの。」


いつもみたいな笑顔の朔が居た。

「朔。
さっきはありがとー。
どっちみち怒られなきゃだけど。」


朔は、クラス一かっこよくて…明るくて…みんなの憧れ。

私には勿体無い。

「かお…今日俺ちと用があるんだわ。」

「ぁ…うん。
先に帰っていいよ。」


最近こんな事が多くなった気がする。

バイトでもしてんのかな。


「杉宮!!!!
早く来い!」

哀ちゃん…ワザワザ教室まで迎えに来たんだ…。
「はいはーい。
ちょっと待ってよ。」



哀ちゃんは、背ェでっかくて…ちょっと羨ましい。

あたしチビだから。


「何見てるんだ?

...…一回上履きから靴に履き替えて職員玄関から入って来なさい。」


逃げないかどうか、心配みたい。
かーわいい。

「大丈夫。
逃げない。生徒信じられなくなったら終わりだよ?」

ちょっとイジメてあげると、悩みだして…本当にかーわいい。


「っぅ……すまん。」



あたしは直ぐにげた箱に向かった。
早く説教聞いて早く帰りたい。


靴を取ると妙に重かった。

ジャラ…….....

画鋲だ。

靴の中に画鋲が入ってる。
今回が初めてじゃない。
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