ねぇ 抱き締めて
靴には、"死ね"って書いてあった。

「あーあ…...
どうすんのよ…。
哀ちゃんに見つかっちゃうよ。」


これは、朔を好きな子とかの嫉妬。

こんな時に感じるのは優越感と酷い悲壮感。


あたしは朔の彼女だって確信できる時。

朔…………....

「抱き締めてよ…。」



ギューッ


「ぅわぁ!!!」

誰かに抱き締められたの。

「朔?」

ゆっくりと振り向いたけど、期待は惜しくも虚しく終わる。



「哀…ちゃん?」

あたしを強く抱き締めてたのは哀ちゃんだった。

「ちょっ…離してよ!!」

「今は黙ってろよ....」








沈黙が続いた。

哀ちゃんの手は緩まっていった。

「今日はなぁ…説教の事じゃなくて、お前のイジメについてだっったんだ。
あんな派手にやられてたらガキでも分かる。」


また沈黙が続いた。


「おい…..
話してみろよ。」

いつの間にか視界が悪くなっていって…涙を流してる事に気づく。

「ぅうっ…ひくッ…あたしッ…ひくッ…虐められて…幸せなんだよ…ぅ…ひくッ…。」

哀ちゃんの胸の中で…ひたすら泣いてた。
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