ねぇ 抱き締めて

疑問

6:26

あたしのアナログ時計の差した数字。


家には帰りたくなかった。

こんなボロボロな顔じゃ帰れない。

だが、この時家に帰っていたらと…とても後悔するのだ。

「あ!杉宮!
なに?朔君はどうしたの?
振られちゃった?
ふふふ〜。」

振り向く前から誰だか分かった。



「木崎 乃奈。
何の様?」

朔親衛隊の隊長。
一番ねちっこいんだよね…。


「振られちゃったのか…って聞いてるのよ。」

高飛車な笑い声…煩いな。


「振られてないよ。
あんたこそ、朔のストーカーしなくて良いの?」
「ぅ……だまらっしゃい!」

乃奈は一瞬顔を歪ませた。

優越感。

「ふふっ…そうそう貴女にお知らせがあるのよ!」

ちっ…元気取り戻してる。

「何?」


さっきよりも笑ってて、あたしを不安にさせた。
「あたし…朔君に抱かれたの!」


え………………。

満面の笑みを浮かべてるとこから見て、嘘じゃなさそう。

「も…妄想の世界でしょ?」

更にニヤニヤしてる。

「あら、そんな事言うなら…明日の8時に朔君の家に行ってみなさいよ!」


勝ち誇った笑み…本当なんだ。
本当なんだ。
本当なんだ。
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