~悪魔執事とお嬢様~


もう一気に終わらせるしかないな。


これだけでも30分は使ったし、
ハープも入れると一時間半はかかる。


いや、ハープも曲によっては
三時間かもしれない。


そこまで時間はかけたくない。



「では、第二、第三楽章を続けて
弾いてください。

間違えた場合は一小節前から
やり直しましょう。」



第一楽章と第二楽章は難しいが、
それほど困難でもない。

問題は第三楽章だ。


ゆっくりとした穏やかな部分と、
急かすようにものすごく早い
演奏が交互され、トリルが多い。


ちなみにトリルとは、
震えるような音のことだ。



「では始めます。
ワン、トゥー、スリー、フォー。」



まずは第二楽章から。
テンポがとにかく早く、2/4拍子だ。

強弱を意識できるほどの技術は
私になく、弾いたというよりは
弾いていると言った方が合っている。


間違える部分はところどころあり、
一回やり直しただけじゃ
弾けない部分もあった。

弾ける場所は極端に綺麗に弾けたがな。


第二楽章が終わり、第三楽章が始まると
4/4拍子になった。


落ち着いたゆっくりとした曲調で、ピアノ
の出番は少なく、トリルを巧く使う。


少しタメを入れてからは早い音になり、
また遅くなっては早くなるの繰り返しだ。


特に連譜のところは間違いだらけで、
曲は一向に進まなかった。


第二楽章では時間をそれほど
割かなかったが、第三楽章は一番
多かったかもしれない。


第二楽章と第三楽章を弾いている時間は
約1時間半程度で、そのうちの6割は
第三楽章に費やした時間だ。


まあ、この部分をもう一回弾けだの、
テンポを遅くしながら弾いてみろだのと
注文の多いシリウスが悪いんだがな。



「今度こそ………!終わりましたよね!?」


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