～悪魔執事とお嬢様～

絵画とか本当にやめろ。我が家には美しい本物の絵画が既にたくさん揃っているのに。

嫌いな訳じゃないがつまらん。



｢絵画はせめて明日に変更しては
いけませんか？｣



｢…そこまで嫌ですか。
分かりました。

では明日のスケジュールを組み立てます。｣



ただでさえ明日は仕事があるんだから、
スケジュールなんて増やして欲しくない。


まあでも、無くなっただけマシだろうな。



｢音楽は蓄音機、ダンスの相手は＿＿｣



｢シリウスでは身長の差が大きすぎて
まともにできません。よって却下。｣



｢嘆かわしい事を仰いますね、お嬢様も。
でしたら相手はセーラにしましょう。｣



シリウスとやりたくないのが
本当だが、しかし身長の差も本当に大きい。

私はイギリス人女性としては
一般的な身長だ。


大体162cm。


それに比べ、シリウスはイギリス人
男性にしては高すぎる。


一般男性の平均身長が大体177cm辺りなのに、明らかに190cmはいっている。

恐らく男性の理想的外見を装ったのだろう。


不要なシステムだな。全く。


…しかし、そうでもないか。

使い方によっては、女から情報を
引き出す時に色仕掛けで……


結構外見が理想像というのは使えるかもしれない。

機会があれば試してでも見るか。



｢…お嬢様、なにか良からぬことなどでも
考えてませんか？｣



｢な、なぜそう思ったんですか…｣



いや寧ろなぜわかった！？



｢お嬢様がニヤリと卑しく北叟笑んで
いらっしゃったので。｣



｢私がお前に向かって激しく怒りを
見せている理由が段々私の短気では
ないように思えてきましたよ。｣



元々短気なほうだが、原因は2:8での割合で
シリウスだ。


断言できる。