~悪魔執事とお嬢様~
「どうでも……いい。
契約と…言ったな。」
「ええ。」
一瞬、相手の顔は
見てないが、ほくそ笑んだ気がする。
もしそうだったら、契約を結ぶのは
やはり危険か。
相手が余裕を持っているときや、
自分が追い込まれているときに
契約なんてすると
何が起こるかわかったもんじゃない。
「結ばなければ、シャロン様、あなたは
死にますよ?
それも、ほんの数秒で。」
ーーチッ
生死を握られていたか。
はじめからこのつもりだったのだろう。
私が反対することを見越して、
絶対に契約を結ぶしかない状況へ。
このまま醜く朽ちるか、
それとも、復讐をするか。
この2択。
さっきまでなら、死んでもいいと
考えたかもしれない。
が、
ーークス
やってやる。
やつらを、己の血で溺れさせる。
私の命などくれてやろう。
「契約を…結ぼう。 」
ーーフッ
明らかに、いまシリウスは笑った。
きっと私が
契約を結ぶことがわかっていたからだ。
チッ。手中に踊らされっぱなしだ。