~悪魔執事とお嬢様~
「先に見せておいたほうがよろしいかと
思いまして。」
訳が分からない。
「私とお前は
時間と時間の間にいたはずだろう?」
「ええ。しかし、時間の間にいた時間は
約二ヶ月。
止めたままの状態でこちらに戻るのは
危険だと判断したので、時間の間を
並行時空にしました。」
二ヶ月も、私はあの、
時間の間に閉じ込められていたのか?
「簡単に説明しましょう。
確かに時間の間にいれば、
止まったままの状態となります。
しかしながら人間の脳というものは、
興味深いもので、
二ヶ月生きていたという
勘違いをするのです。
その結果、身体的ダメージを脳が送り、
あなたの寿命は二ヶ月縮んでしまう。」
なんのための時間の間なのだか。
人間には必要のないものじゃないか。
「まあ、魔力を使えばその働きを
止められますが、それにはあまりにも
膨大な魔力を注ぎ込むことになります。
私の魔力もすぐなくなりますし、
人間がそこまで大量の魔力を
溜め込むことは不可能に近いので。」
その方法でのメリットが何もない。
デメリットしかない。
どうでもいい話だった。
「さて、この話しは置いておくとして、
どうです?ご自分の墓を見るのは。
中々経験しないことですが。」
中々というか、
ほぼ全員が経験しないだろう。