~悪魔執事とお嬢様~



次に現れたのは
メイザース(Mathers)三兄弟だ。


この三人は三つ子で、順番に

クルト(Curd)、
キルト(quilt)、
アルト(alto)だ。


三人の名付け親のセンスのなさには
毎度毎度あきれる。



ちなみにアルトだけは女の子。


しかし、アルトの髪が長いという事を
除けば、顔がにすぎて区別がつかない。



いつも順番にものを言うから分かるが、

一度順番を間違えられたら
多分アルト以外わからないだろう。


声までにてるからな。



「えっ?」



「まさか、」



「お嬢様!?」



髪は三人ともプラチナゴールド。
目は鋭くて黒色。


プラチナゴールドの聞こえはいいが、
黄色にミルクを混ぜたような

くすんだ色だ。

エルのチカチカした色とは訳が違う。


この三人はとにかく身軽で、相手の攻撃を
かわしながら小さなナイフや拳銃を使う。


たいした傷はつけられないが、
敵の体力を消費するにはもってこいだ。



「「「お嬢様ーー!!」」」



「ヤ、ヤメ…」



せっかく起きたのに!


また、今度は三人揃って私に飛びかかる。

なにか恨みでもあるのか?



「お嬢様、僕ら、」



「生きておられると、」



「信じておりました。」



また涙目で順番に話す。


セーラと何が違うか?
重い、ということだ。


三人分の重さがのし掛かるんだからな。



「分かったから離しなさい!」


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