~悪魔執事とお嬢様~
「あぁ、彼は…」
私はシリウスに目をやった。
『お前が話せ。』
という意味だ。
「お嬢様はご自分で
お話ができないのですか?」
コイツ!
「はぁ。
ではわたくしが説明します。」
今ため息ついただろ!?
「この度、シャロン様の執事とならせて
いただきました。
シリウス・アヴェリーともうします。」
「へ?」
セーラがすっとんきょうな声を出す。
「「「し、執事ぃ!?」」」
「コホン。お嬢様、これは一体どう言うことでございましょう?
長年支えてきたわたくしから
言わせてもらいますに、こちらの紳士は…」
言いたいことは分かる。
シリウスは見た感じ何もできない
王子っぽいからな。
使用人としては従僕がふさわしく見える。
「仕方ないでしょう?
シリウスが条件を出したんですから。」
「条件?」
ヴィル爺が片眉を上げてシリウスの方を
向く。