~悪魔執事とお嬢様~



「あぁ、彼は…」



私はシリウスに目をやった。


『お前が話せ。』


という意味だ。



「お嬢様はご自分で
お話ができないのですか?」



コイツ!



「はぁ。
ではわたくしが説明します。」



今ため息ついただろ!?



「この度、シャロン様の執事とならせて
いただきました。

シリウス・アヴェリーともうします。」



「へ?」



セーラがすっとんきょうな声を出す。



「「「し、執事ぃ!?」」」



「コホン。お嬢様、これは一体どう言うことでございましょう?

長年支えてきたわたくしから
言わせてもらいますに、こちらの紳士は…」



言いたいことは分かる。


シリウスは見た感じ何もできない
王子っぽいからな。

使用人としては従僕がふさわしく見える。



「仕方ないでしょう?
シリウスが条件を出したんですから。」



「条件?」



ヴィル爺が片眉を上げてシリウスの方を
向く。

< 34 / 205 >

この作品をシェア

pagetop