~悪魔執事とお嬢様~
「……お嬢様、
じいは二ヶ月前の襲撃から学びました。
家事ができようとも、主を守れなくては
意味がないと。」
何が言いたいのだろう?
「お嬢様、ヴィル爺は、」
「あの後頑張って、」
「修行を積んだのです。」
メイザース三兄弟が順にいった。
だが、論点がまとまってないぞ。
そもそもなにを修行したんだ!
という話だ。
それから家事も
最低限できてくれないと困る。
「つまりよぉ、お嬢様。
ヴィル爺は、悲しんで、悲しんで。
そして、俺らに武術を学んだんだ。」
…はっ?
言葉遣いについては諦めているが、
意味がわからない。
「しかしこれがクハッ。全然ハハハ…ダメで…」
セーラが吹き出しそうになりながら
いった。
「お恥ずかしながら…。」
ヴィル爺は無表情で言う。
「しかし、元々じいめは
武闘に愛されている人間でございました。
その気になれば一日二日で武闘をマスター
できるでしょう」
ならどうして武闘をマスターして
おかないんだ?
「じいめは若い頃から争い事は嫌い
でしたので。」
悲しそうにヴィル爺は遠くを見つめた。
これ以上話す気はなさそうだ。
変わりにメイザース三兄弟が話した。