~悪魔執事とお嬢様~
いや、私ではなく、
後ろに吠えているのか?
私は振り返った。
と、思った通り人がいた。
正直ほっとした。
私に向かって吠えたのではないのだから。
「お前か、シリウス。」
「ええ。
掃除と片付けが完了しましたので。」
早いな?おい!
大体なんで私がいることがわかった?
セーラに聞いたのか?
「そちらの犬は?」
「私の個人情報をかなり把握している
お前でも、流石にここまでは無理か。」
少し皮肉を言ってみた。
シリウスならば知っていると思ったが。
「人間関係以外には
興味がありませんでしたので。
しかし、もっとよく
知っておくべきでしたね(黒笑)」
なぜか後ろにものすごいオーラが見えた。
あの時の、恐らく本来の力を発揮する
姿と言うんだろうが、
分かりやすく言えば悪魔った時のように
目が赤黒く光っている。
「なぜそう怒るんだ…?」
「怒ってなどいませんよ?
ただ、
私よりもその犬っころの方がいいと?」
何に嫉妬してるんだバカめ!
そんな理由でアーノルドを睨むとは。
「ああ、お前よりも
アーノルドの方がよほどましだ。」
「っっ!?
…そうですか、ではその犬を私が倒せば…」
なんて事を私の前で呟いてんだこの変態!
「もしそんなことをすれば
お前の心臓に杭をさして火炙りにする。」