~悪魔執事とお嬢様~
「おやおや。恐ろしいお嬢様。
まあ、構いませんが。」
構わないのか…
いや、お前が嫌がらないとアーノルドが
危なすぎる。
「私は火も杭も効きませんから。」
そうだった。こいつは悪魔だからな。
よく考えれば無敵だ。
「ならば教会の聖水と十字架を使えば
済むことだ。」
「っ!冗談ですよ。(キッ」
いや、明らかにアーノルドを睨んだな。
冗談じゃなさそうだ。
「それに、
私は犬属性なので猫より犬派です。」
属性ってなんだ属性って!
「私の真の姿は大犬(オオカミ)ですよ?」
ああ、だからシリウス(オオイヌ座)か。
犬にしては主人への忠実さと敬意が
足りない気もするが。
「犬にしては出来すぎでしょうか?
それとも、甘えなさすぎでしょうか?」
…こいつ、しばこう。
「どうでもいい。とにかくだ!
アーノルドに危害を加えることは許さん。」
「…かなり不本意ではございますが、
かしこまりました。」
かなりって言ったな!?
かなりって!!
「ワンッ。」