~悪魔執事とお嬢様~


「おやおや。恐ろしいお嬢様。
まあ、構いませんが。」



構わないのか…


いや、お前が嫌がらないとアーノルドが
危なすぎる。



「私は火も杭も効きませんから。」



そうだった。こいつは悪魔だからな。

よく考えれば無敵だ。



「ならば教会の聖水と十字架を使えば
済むことだ。」



「っ!冗談ですよ。(キッ」



いや、明らかにアーノルドを睨んだな。

冗談じゃなさそうだ。



「それに、
私は犬属性なので猫より犬派です。」



属性ってなんだ属性って!



「私の真の姿は大犬(オオカミ)ですよ?」



ああ、だからシリウス(オオイヌ座)か。


犬にしては主人への忠実さと敬意が
足りない気もするが。



「犬にしては出来すぎでしょうか?
それとも、甘えなさすぎでしょうか?」



…こいつ、しばこう。



「どうでもいい。とにかくだ!
アーノルドに危害を加えることは許さん。」



「…かなり不本意ではございますが、
かしこまりました。」



かなりって言ったな!?

かなりって!!



「ワンッ。」


< 47 / 205 >

この作品をシェア

pagetop