~悪魔執事とお嬢様~



「わっ、えっ、
アーノルド、やめろ。舐めるな、
くすぐったい!!」



「ワンッワン!!」



アーノルドは、シリウスが敵でないことが
分かったから、安心したのだろう。


しかしいくらなんでも舐めすぎだ。


私は後ろに倒れてしまうし、
服も髪もベトベトになってしまった。



「もしよければ
やめさせましょうか?(ポキポキッ」



「指を鳴らすな。

…これでいい。
犬なんだからお前も大目に見ろ。」



犬に嫉妬するなんて器が小さすぎる。


悪魔なのに余裕が足りん証拠だな。



「でしたら、犬属性のわたくしも」



「ありえん。

もし、飛び付いたりすり寄ったり
舐めてきたり匂いを嗅いだりするというのなら、十字架だけでは済まさんぞ?」



こいつならやりかねない。


念のため先手を打っておく。



「…バレましたか。」



「当たり前だ。」



バカクィンテットでもわかるだろう。



ーーガチャっ



誰だっ!?

後ろのドアを開ける音がした。



「シャロン様、いきておりましたか。
奥さまがお待ちです。」



声の持ち主は、エマおばさまの執事だ。


名前は…覚えていない。

あまり話さないし名前もあまり聞かない。
執事としては有能だそうだが。


顔は我々白人とは違い、
目が細くて全体的に平たい。

顔の色はペールオレンジで、中国人と
にているが、なまり方が中国人とは違う。


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