~悪魔執事とお嬢様~


「おや、日本の方ですね?」



ニホン?あぁ、あの島国か。
私は正直、傘ぐらいしか知らない。



「ええ、お恥ずかしながら。
アベノともうします」



そうか、アベノだったな。

だが、なぜシリウスが日本の訛りを
存じているのだろうか?



「シリウス、以前に日本人にあったことが
あるのか?」



どうでもいいことだったが、
とりあえず小声で聞いてみた。



「ええ。あの国はとてもおもしろい
ものですよ。

もっとも、私が興味を引いた方は、
お一人でしたが」



「…誰だ?」



「織田信長様です。

天下統一を目論んでおられましたので、
契約し、陰ながらお支えを。

まあ、あっけなく殺されましたが。」



支えてたんじゃないのか…?


私もまさかとは思うが殺されるかも
しれんのだな。


それもこいつの不注意で!!



「あぁ、ご安心を。

信長様の時のような生ぬるい気持ちで
お嬢様と契約したのでは

ございませんので。」



なんでまたそのノブナガってやつとの
契約が生ぬるいんだ!?



「お話はもうよろしいでしょうか?
奥さまが、お屋敷でお待ちですので。」



「…すみません。今行きます。
またね、アーノルド。」



「クウン?」



私はかわいいアーノルドに一時の別れをつげて、アベノについていった。

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