~悪魔執事とお嬢様~
もう、決めたことだ。
そもそも、
契約を打ち切ることができないだろう。
シリウスとの契約が。
これはある意味いいことだ。
契約への恐怖心として、私は
嫌でも復讐をやらざるおえないだろう。
もっとも、
私は復讐を嫌がっていないし、この先嫌がることもないはずなのだが。
「シャロン…」
「お二人の復讐ではありません。
私の復讐です。
こうは言いたくありませんが、
私はシリウスを選んだ、と言うことです。」
本当に言いたくないがな。
おおざっぱに言うと本当にそうなる。
シリウスというより悪魔という方が
正確なんだろうが、シリウスの方が
分かりやすい。
ただ、シリウスを選んだというナンセンスな文に対しては、夢の中の自分の首がむず痒くなった。
「今からでも遅くはない__」
「ここを見ればわかるでしょう!?
白と黒…私とあなた方では、
もう、正反対の人間です。
善と悪、天と地、
例えならいくらでもあります。」
「………」
二人は黙った。
二人なら、何て答えるか、それが私の
脳には刻まれていないのだろう。
黙ったのではなく、言葉が見つからず、
壊れた機械となっただけ。
所詮は夢だしな。
「クスクス。」