~悪魔執事とお嬢様~
「うぅっ!!」
何かを吐きそうだ。
でも、あー、そうか、
あの日から何も食べていなかったしな。
吐き出すものが何もない。
吐き出すものがあればよかったが、
なにもなかったせいで余計に
気持ち悪くなった。
いや、なにもではない。血はでた。
未だに肺は傷ついているのだろう。
自分がとてつもなく虚しい。
誰もいないところで、
無様に、私は朽ち果てるのか。
「生き、て、奴ら、を、殺す!
うっっ!」
なにをいっている?
私はそんなこと思ってない。
希望なんて抱いてはいけない。
わかっているのに、なぜ!
遂に、心と体もバカになったのか?
心で思ったことと正反対を言っている。
はぁ。
生き残りは、いくらほどいるだろうか?
フットマン、コック、メイド、執事…
人数は少ないが、皆有能で強い。
こういった場合の対処はできただろう。
それ以外はてんで駄目だが。
何気ないことを思い出したりした方が、
苦しさが幾分か紛れた。
私のことを心配しているだろうか。
友人、親戚、私は、思ったよりも
たくさんの人間に囲まれていた。