~悪魔執事とお嬢様~
「いや、そうもいっていられません。
おばさまが仰った
倒産寸前の話が本当なら、
フォスター家の名誉を守るため、
明日にでも仕事に取りかからないと
行けませんから。」
今すぐにでも本当は行動したい。
面倒だが、フォスター家に汚名を着せる
わけにはいかないしな。
私に商業の才能があるかないかでかなり
変わってくる。
もう運任せだ。
最悪はシリウスに任せればいいが。
「ですが……無理はなさらないで下さい。
それと、明日は、恐らく記者が大勢
いらっしゃると思いますが、
どうなさいますか?」
シリウスがそう訊いてきた。
そんなに大勢は来ないかもしれないが、
消えたはずの伯爵一人が戻ったとなれば
数人は来るはずだ。
私はしばらく考えたが、
さすがに出ないのも問題だろう。
「適当にやっておけ、ともいいたいですが。
さすがに当主が出ないのも問題でしょうし
適当に出ます。」
「適当は変わらないのね……」
「もちろんです。」と言いたげな顔で私は
例の少々不気味な笑みで頷いた。
「あー、それと執事くん。
さっきは私夫婦とか言って
冷やかした訳だけど、
自分の立場はわかってるわよね?」
冷やかさなければすむ話だな。
まあ、おばさまもわかっていて
冷やかしたならまだいいか。
(周りに常識人がいないのかと
本当に思いかけていた。)
「心得ております。」
心得てるのか……。