~悪魔執事とお嬢様~
「そ、じゃあいいけど。
それに、確かいたわよね?
シャロンって許嫁。」
「確かにいますけど……
向こうも忘れてるんじゃあないです?
私も嫌ですし。」
許嫁なんて今の今まで忘れていた。
どうせ私の契約が完了したら、
私はシリウスに魂をとられる。
許嫁に会っても意味がないだろう。
結婚するのはだいたい18のときだが、
私がそれまで生きている可能性は低い。
すでに契約は完了して魂をシリウスに
とられているだろうからな。
「私が取り合うわよ。
あと、あんたもう16歳よね?」
「ええ。」
だいたい予想はつく。
16歳となると、
砕けた言い方で社交界デビューの時期だ。
が、めんどうだ。
そもそもそんな事をしている暇はない。
会社をもち直さなければいけないし、
復讐のために色々調べなければいけない。
「じゃあもうちょうどいい時期ね。
女王陛下への謁見して、社交界へ……」
「いや、ちょっと待ってください。
それは伯爵の“娘”がすることであって、
私は当主です。」
勝手に話を進められちゃ困る。
「いいんじゃない?別に。」
「そんな時間はありません。
女王陛下の謁見は流石に行きますけど。」
行かなかったら倒産仕掛けの会社が
冗談抜きに倒産するしな。
「いきましょうよ!
私色々とシャロンにやりたい事あるもの!」