~悪魔執事とお嬢様~
やはり疑っていたか。
目がいつも以上に鋭い。
「それと……
こうは言いたくありませんが、
お二人が妙な関係になっているのかと
疑わずにはいられません。」
「あぁ、そっちの心配か。
クスクス。絶対にないから安心しろ。
ありえない。断固としてありえない。
というかそんな想像されてたまるか!
それだけは想像されるだけでも嫌だぞ。
そんなの絶対に!!」
「そこまで言わなくともいいのでは……?」
若干シリウスはしょげながら言った。
「……まあ、そこまで仰るのならば
結構ですが。
お嬢様がお変わりになった時期を
考えますと、
どうもシリウス殿との
関係を深読みしてしまいますので。」
「深読みされるだけでも御免だ。」
本当に嫌だ。
別にシリウスが嫌いとかそう言うもの
じゃない。(好きでもないが。)
ただ、本当に思われるのが嫌なのだ。
絶対ならないはずの関係にされるだなんて
最悪すぎる。
シリウスは気のある言動を多々見せるが、
私の反応を楽しんでいる節もあるだろう。
それを目の当たりにされては困る。
誤解だけはどんな誤解でも御免だ本当に。
「承知いたしました。
ではこの考えは捨てるといたしましょう。
お休みなさいませ。」
「ああ。お休み。
ヴィル爺も早く寝て、ゆっくり休め。」
「お心遣い、有り難く存じます。」
ふう、なんとか疑いは晴れてようだ。