~悪魔執事とお嬢様~
後はおばさまの許嫁論を説得して、
キティとシリウスをくっつければ
万事解決だな。
私は階段を上がり、自分の部屋へと
繋がる長い廊下を大して焦らず歩いた。
赤いカーペットは大分汚れていたようで、
拭き取ったあとがある。
綺麗に拭き取られてはいるが、
有能なヴィル爺が拭き取ったというのに、
シミが残っていることはそうそうない。
考えられるとすれば、血だな。
よくよく考えれば、お母様もお父様も
土で汚れていたなどではなく、
恐らくどこかが負傷していたんだろう。
ついでに、
戦闘に長けたバカクィンテットに
負わされた敵の方も鎧の奴以外は
結構な傷を負っているはずだ。
プラスシリウスが鎧の奴以外綺麗さっぱり
片付けたともいっていたし。
その血も染みてるんだろうな。
「しかし、驚きましたよ。
お嬢様も微笑まれるんですね。」
「私がいつ微笑んだ?」
「ヴィルジーさんにお休みの挨拶を
なされた際、微笑んでおられましたよ。
最も、以前の貴方とは違い、大人びて
冷たく見えましたけど。」
あーはいそうか。
って、おい!
なんで以前の私を知っているのかすごく
気になるぞ……
「お前、
私の存在をいつから知っていたんだ…」
「さあ?」
クスリと笑いながら上からものを
見るような目でシリウスは首をかしげた。
「あーもいい。その事も含めてきっちり
話をさせてもらうぞ!」