~悪魔執事とお嬢様~


「……今の提案はお忘れください。

セーラとアルトを呼んで参ります。」



そして暫くするとセーラとアルトが来た。


しかも会見やら親戚に会うやらの理由で
気色悪いピンクと黄色のドレスだ。

極めつけ?
あぁ、フリフリのレースだらけだ!


レースなら普通のドレス。なのだが、
近頃レースだらけのドレスが流行っている。

だが、このレースは子供が着るかのような
ヒラヒラフリフリ!!


もういっそのこと殺してくれ!



「お嬢さまぁ!
見違えるように綺麗になりましたね!!」



「あぁそうですかそれはよかった。」



目をキラキラさせるセーラだが、
一方で私は棒読み。

おまけにわざわざ厚化粧もされた。

今は19世紀だぞ!?薄化粧だろ普通!



「WOW!憧れちゃいますぅ!!
いいなぁお嬢様!」



「じゃあもう変わってくださいよ……」



「お嬢様…………きれい。
アルトも、誇らしい…………です。」



単独で話すときのメイザース兄弟は
なんというかたどたどしい。

答えにくいし。



「お前たち、嫌がらせか?」



「「?」」



違うだろうな。

それはわかっている。

だとしても私には嫌がらせ以外の
何物でもない。



「はあ、もういいです。
とっとと化粧を終わらせてください。」



「わわ!わかりました!」



「……御意。」



そこまで怒ったつもりもないが…。

まあ、2人の顔がビクついているという事は
私が怒っているように見えたのだろう。

勘違いされることが嫌いな私だが、

この誤解は解かずに放っておくのが
一番だと思う。



「・・・えっと…ここをこうして…
できた!お嬢様!できましたよ!

鏡で見てみてください!」

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