咲き誇るものは忍の恋なり
倒れた紫音は、病院へと運ばれた。2週間経った今でも、紫音は目を覚まさない。

「.........お姉ちゃん、朝だよ.........起きて............?」

結合が呟く。結合はずっと紫音.........いや、結糸の付き添いについている。

「.........起きないよね.........冴音、お姉ちゃん、いつ起きるかな‥………?」

結合は冴音に問う。冴音もまた、ほとんどの時間をこの病室で過ごしていた。

「.........起きると、信じましょう。」

冴音が答える。

「.........お姉ちゃん…………起きてよ…………皆待ってるよ.........?」

結合がまた呟いた。
その時

「.........ん.........」

「!?お姉ちゃんッ!!」

「紫音ッ!!」

結糸が声を出した。結糸を見る結合と冴音。結糸の目は、徐々に、うっすらと、開いていった.........

「.........ここは.........?」

結糸が小さく、だがはっきりと、声を出した。結合と冴音の顔に笑顔が広がる。

「病院だよ.........お姉ちゃん.........」

結合が優しく答えた。

「.........!......結合.........ごめん、ごめんね.........!」

結糸は涙を流し悲痛な声で謝罪した。そんな結糸に

「.........紫音、君が気に病む必要はありません。.........僕が間違っていた。......君も、結合を信じませんか......?」

冴音は微笑みかける。

「.........はい.........主......」

結糸は結合を信じた。

「......主ではありません。冴音、ですよ」

冴音は意外にも気にしていたのだろうか。

「......!はい......!」

結糸も結合や冴音のように、笑った。

.........余談ではあるが、この日、結糸が起きたことを聞きつけた海や美結や真、星羅、そして澄晴が来て、病室はお祭り騒ぎだったとか。.........もう1度言う。“病室”である。
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