咲き誇るものは忍の恋なり
「妖術。」

「結合、やめろ!」

「止めないで?海。」

「でも、妖術って、あれを使うのか?」

「ううん。あれより弱いの使うよ。」

「よかった…あれは、やめろよ」

「うん。わかってる」

「あれ。」とは結合たち四人の中で結合しか使えず、一族でも結合の父の一族の長と結合しか使えない妖術だ。

「雷霆神弩(らいていしんど)!」

結合がそういうと、上空に黒い雲があっという間に集まり、冴音達の上に雷が落ちた。しかし、それを冴音が食い止め逃げられる。

「ちっ!最悪!まぁた逃げられた。」

「直に戻ってくるさ…」

"シュッ バキィッ"

刹那現れた澄晴が真と海を一蹴りで蹴り飛ばした。

「ぐはっ!」

「真!海!」

「ふっ…馬鹿が…」

澄晴がほくそ笑んだ。その時

"ザシュっ!"

真と海に駆け寄った結合と美結を何かが斬った。

「がっ!」

ふたりを斬ったものは吸い込まれるように冴音の手へ。

「っ…暗…器…?」

「なぁーに。ただのトラップだ。」

ここにるはずのない声が聞こえた直後。結合の体が吹っ飛んだ。

「うそっ!何で…?」

「俺はあいつを置いてきただけだ。戦線離脱などしていない。」

声の主は先程星羅を運んでいった紫音だった。紫音はその後すぐに冴音のもとへ行き

「主…。十分に集まったようです。」

と結合たちには理解できないことを言う。

「そうですか…返しなさい。」

「御意。」

再びどこかへ消えた紫音。


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