咲き誇るものは忍の恋なり
「.........やっぱ来ないな」

「だな......」

「「いや!?まだわかんない!!」」

「いい加減諦め......」

「呼んだ?」

「......来るのかよ!」

「ってまたお前等かよ......帰ろっと...」

「待って!」

いきなり現れ帰ろうとする星羅を引きとめる結合。

「なんで生気を集めてるの?」

「......あぁ、それはな......アレだよそのな......」

ゴクリとつばを飲む結合、海、美結、真。澄晴は厨房でクッキーを作っている......

「アレなんだ。」

「「さっさと言え!!」」

アレ、としか言わない星羅に4人のツッコミが飛ぶ。

「アレは......集めて、エネルギーとして鬼を操るんだ。鬼の中にあのエネルギーを入れると俺らの言う通りに動く。」

「......そんなのに人の生気を使ってるの.........?」

結合の辛うじて出た質問に

「俺らは人のせいで傷ついた。恨んでる。この上なくだ。だから使っても俺らは何とも思わない。」

あのおちゃらけた星羅とは思えぬ冷たい返答。

「「...............」」

4人とも言葉が出ず、黙りこくってしまう。

「じゃ、俺帰る。」

星羅が帰ろうと窓から出たその時

“バンッ ドガッドゴッ!”

と鼓膜が破れそうな程の大きな音がした。
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