咲き誇るものは忍の恋なり
美結が冴音めがけて水奏を放った。だが

「舞華風刃!」

何かが水を斬った。

「邪魔はさせない。」

紫音だった。そしてその紫音と冴音は顔を見合わせ頷いた。

“シュルシュル............”

突如として伸びてきたツルが交戦中の真と冴音を取り囲み、隔離された空間をつくってしまった。

「紫音の、自然を操る能力だ.........!」

澄晴が言葉を発する。

「......何のつもり?」

結合が聞く。それを

「......さぁな。だが1つだけ言えるのは、お前達は全員、ここで潰れる!」

紫音がはぐらかした。

「森凜の風......!」

突然突風が吹き始める。やがてその風はツルの周りを取り囲んだ。

「こいつ.........俺らにどこまで邪魔させないつもりだ!」

海が言い、

「気ぃつけろ!この風はナイフと同じだ!」

星羅が警告する。

「鎌鼬ッ!!」

「草華風壁!」

結合の攻撃も虚しく、防がれた。だが

「くっそ!雷火ッ!」

「氷水斬!」

すかさず星羅と澄晴が攻撃を仕掛ける。星羅の雷火はツルを狙っている。紫音は澄晴の薙刀を片手の剣で受け止め、もう片手で弾いた。澄晴が吹き飛ぶ。星羅の雷火に関しては完全無視、といったところだ。

「っしゃあ!」

星羅が叫ぶ。だが、紫音は微動だにしない。そして

「......忘れたか星羅。お前のその力では.........私の風に取り込まれるだけだ。」

と言い放った。その言葉通り、紫音の背後には、雷を纏う風が吹いていた。

「......不動縛!!」

「!!くっ.........!」

海の術に紫音が動けなくなった。

「鬼火.........!」

「水奏!」

結合と美結がさらに畳みかけようとする。
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